石鎚山系 加茂川支流シロジ谷遡行(2016.5.5)

 5/4夕刻、名 古瀬集落の石鎚温泉泉源横の広場で幕営し、翌朝、車で名古瀬谷を横切る岩屋谷橋まで入り、7:10入渓。河原を少し歩くと、 前方に巨大な取水堰堤が見えてくる。左岸から高巻き、堰堤上に出る。右から支流が30m以上の滝となって流下している。ゴー ロと、4m程度の滝を越えながら進み、最後の6mの滝を右岸高巻きで越えると、十郎あれからの支流が左から合流する。目の前 に釜があり、ここからゴルジュ帯となるが、まだ寒く、左の支流を登り、古い踏み跡をトラバースし、尾根の手前を下ると、古い 橋のところに出る。再び沢に戻り、釜を持つ最初のゴルジュ帯は、左岸沿いにやりすごす。ほどなくハト谷出合9:10着。ここ から平凡な河原歩き25分でシロジ谷出合に到る。

 出合は、狭いゴ ルジュ帯になっており、奥にF1(10m))が見える。右岸の岩混じりの尾根を高巻くが、2つ目の岩壁の切れ目から斜面を下 り、最後はルンゼを懸垂下降でどんぴしゃりで滝の落ち口に下ることができた。谷はすぐにまたゴルジュ帯となり、右、左、右と 3回屈曲すると、この谷最大のF2(2段35m)が現れる。両岸とも高い岩壁とルンゼに守られ、とりつくしまがない。高巻き は、まず、左手のぬるぬるの岩壁をハーケンを1本打ってだましだまし登り、そのまま草付きを斜上し、左に岩壁を回り込んで、 少し下流側のルンゼを登る。急傾斜が続くため、この高巻きは、ザイルを付けたままコンティニアスで行動する。ここでも、一 度、右から斜面を覗くが、まだ滝左手前のルンゼがじゃまして取り付けない。稜線近くまで登り、右手の尾根のコル状になったと ころから覗くと、獣道もあり、何とかいけそうな雰囲気。そのまま下るとこれまた、どんぴしゃりで、F2の落ち口に出た。これ だけ大物の高巻きが2回もうまくいくと実に気分がいい。

 谷の傾斜もゆる まり、ナメも現れて、快適な遡行が続くと、突然、F3(25m)が現れる。左岸にスラブ状の岩壁があり、とりあえず直登すべ く岩壁ルートに取り付くが上部が悪い。結局さらに右の木の生えたルートを登りなんとかクリアする。

 ここからは、も うのんびり遡行するのみ、ナメを交えたゴルジュ帯は、泳ぎを避けて左岸高巻き。左右の屈曲と支流も多くなり、地図上の地点確 認も楽だ。標高920m二股の鳥越尾根西側からの支流には、20m3条の美しい滝が見える。美しいナメを越えると標高 970mの二股。左に取り、ナメ、F5(トイ状6m)、F7(3条2m)と快適に越えていく。F8(9m)は久々のゴル ジュ。左岸から高巻く。最後のF9(10m)は、巨大な岩の間を流下しているが、もう水量は少ない。左岸を巻くと、上部はも う伏流帯となる。二股を左に取り、少し登ると右岸がヒノキ人工林になり、もう消滅寸前の鳥越-子持権現の登山道に出て、ここ を終了点とする。取り付き点までは、瓶が森登山道を下山する。

 3年前SSコン ビで挑むものの、最初のゴルジュの高巻きであえなく戦意喪失し敗退したシロジ谷を、今回は新たにK,Oの強力メンバーの参加 を得て、無事完登することができました。沢登りは、先が読めない不安の中で、安全と体力を考えながら行動する必要がありま す。強力なメンバーの存在は、何よりもうれしい存在であり、また、お互いの技術を向上させる研鑽の場でもあります。また、新 たな沢に挑戦する気分が沸いてきました。